古賀茂明
では、どうやってマイナンバーカードを普及させるのか。
実は、遠回りのようで、政治不信を解き、同時にマイナンバーカードへの理解を一気に高める方法がある。
それは、政治家の保有する銀行口座、不動産、株式などのすべての資産情報をマイナンバーカードに紐づけることだ。
さらに、政治資金もマイナンバーカードと紐づけされたクレジットカードでしか決済できないようにする。
こうすれば、政治家の資産の動き、さらには政治資金の流れがガラス張りになる。
もちろん、政治家は自分の資産情報が外に漏れることを恐れるから、官僚に秘密管理の徹底を指示するだろう。
これで情報管理の安全性は高まる。

政治家が公明正大で後ろめたいところがないのなら、マイナンバーカードで資産・収支情報がガラス張りにされたところで痛くもかゆくもないはずだ。
そうして金権腐敗がなくなったところで、「政治家自ら身を切る改革をやった。皆さんもマイナンバーカードを持ってください」と訴えれば、国民も「このシステムも使いようによっては社会の役に立つ」とわかり、警戒心も解けるはずだ。
マイナンバーカードによるポイント付与の代わりに、マイナンバーカードで政治家を監視する法律を制定すべきだ。