中学受験で真夜中まで勉強していた頃、JALがスポンサーのジェットストリームが、ホっと出来る時間だった。
もし希望の中学に合格したら、JALに乗って真夜中の空の上でジェットストリームを聞きたいと両親に言うと、兄のいるオアフならと約束してくれた。

JALの飛行機に乗り、真夜中にジェットストリームを聞くために必死に勉強した。
たぶんギリギリだったと思うけど、なんとか合格。
父が奮発してくれて、ビジネスクラスを予約してくれた。

まだ12歳くらいの私は、ラウンジでも何をしていいのか分からず、カレーとオレンジジュースを食してから、頻繁に離着陸する飛行機をワクワクして見ていた。

女性スタッフの方が来て、搭乗しても良い時間ですと知らせてくれた。
外は暗くなっていて、もう恋のトキメキのような気持ちで飛行機に乗った。
初めての飛行機、初めての海外、初めての一人旅。
バカにされちゃうかもと、飛行機に慣れた感じで気取って歩いていた。
でも父が連絡していたのか、CAさんが親切に色々と教えてくれた。

まだ0時には時間がある。
映画見たり、ゲームしたり。
オヤツもジュースもあり、飛行機って最高に幸せだと感じた。

0時10分前、いっぱいチャンネルのあるラジオ?からジェットストリームを探す。
しかし見当たらない。
全てのチャンネルを順番に調べたが無い。
勇気を出してCAさんを呼ぶボタンを押した。
「あの、0時のジェットストリームはどのチャンネルになりますか?」
田舎者と思われたかな?こいつバカかと思われたかな?

でも、どうしても聴きたい!!!!

心臓をバクバクさせながら聞いた私にCAさんは

「飛行機では聞けないんです。ごめんね。」

その後の記憶があまりない。
ただ、大人になってからジェットストリームのCDがあると知り、すぐに調べた。
が、伊武雅人のジェットストリームのCDが無いと知った。