統一地方選挙が終わりました。
北海道羽幌町の天売島では、旧天売村と羽幌町が合併した1955年以降初めて、島に議員がいなくなりました。

羽幌町議会議員選挙は11の議席に12人が立候補。
その選挙戦を複雑な思いで見つめた地域がありました。
高速船でおよそ1時間、人口287人の天売島です。
野鳥の宝庫と言われ、中でもウトウはおよそ80万羽が生息、世界最大の繁殖地として知られています。

「過去64年間続いてきた天売島在住の町議。今回その歴史は途絶えてしまいました。島民たちは島の将来を島外の町議に託すことになります」(記者)

これまで6期24年勤めた島の町議が引退、島内には後を継ぐ人がいませんでした。

「ここの人を背負っていこうという勇気を持った人がちょっといてくれればね」(島民)

一番の関心事は島に唯一の診療所の問題です。
先月、常勤医が退職し、島民は月に6日ほどしか診察を受けられなくなりました。

「病院の医者がいないということは、自分に何かがあったら早めに島から出るということ」(島民)

こうした島の切実な思いを町議会に届ける議員が、もう島内にはいません。
一方で、島民たちは島から議員を出すことの難しさも感じています。

「自分の生活を投げ出してまでやってくれること、おいそれとは出来なかったみたい」(島民)
「やってくれる人がいればありがたい話」(島で最高齢の91歳男性)

時期によっては船が1日に1便しかなく、しかも天候次第。
町議会が始まる数日前に移動するとなると、議員のなり手は多くの制約を受けることになります。
島民たちは、隣の焼尻島から当選した議員の活躍を期待するものの、天売島の思いをどこまで吸い上げてもらえるのか、胸中は複雑です。

※ソースに動画あります
http://news.hbc.co.jp/49269a3fc46d3e680c309d08f4b2fe31.html
04月22日(月) 19時32分  HBC