井上氏は「あの騒動で、グループとしての『上級国民』が生まれ、『上級国民』同士で仕事や利権を回しているという印象が残りました」とした上で、飯塚氏についてこう分析する。

「池袋の事故は久々にネットユーザーが『上級国民』と呼べるネタだったことに加え、飯塚氏が80代という高齢であるため世代間格差問題もあわさって怒りが増幅したと見られます。
さらに若い母子の命が失われるという悲しみに包まれました。エリート、世代の違い、悲しい現実――ネットで言う『一般国民』の複雑な感情のやり場として、『上級国民』というのはピッタリの攻撃対象であり、格好の『ネタ』だったんです
。条件的にそろってしまったんですね」
「上級国民」バッシングは続くのか?
事故発生から4日。今後も「上級国民」バッシングは続くのか。井上氏は次のように見通しを語った。

「罪に問われることが決まるとか、ご本人が誠意をもって謝罪するとか、家財道具一切を売り払って遺族に慰謝料を払うといった、これまでの印象を覆すようなことになれば収束に向かうでしょう。
しかし、たとえば高齢や心神耗弱などを理由に罪に問われないとなったら炎上は止まりません。捜査機関の次の動きが分かれ目になりますね」
ネットでの情報発信におけるリスクマネジメントなどを手がけるコンサルティング会社「MiTERU(ミテル)」の代表取締役おおつねまさふみ氏は23日、
取材に「ネットユーザーからすると身柄拘束や逮捕は『事件や事故をやらかした人物への制裁』と捉えられてしまっている側面があります」と指摘。
事故から4日経ってもバッシングが続いている理由について、「被疑者に対する『制裁』が行われてない状態に見えてしまうと、ネットユーザーからすると憤りの拳を振り下ろす先が無い状態になってしまいます」と見解を示した。