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メイ英首相、国防相を更迭 5G参入条件の漏洩で
2019年5月2日 4:02

【ロンドン=中島裕介】英国のメイ首相は1日、ウィリアムソン国防相を更迭した。主要閣僚らで構成する英国家安全保障会議(NSC)の情報を漏らしたことを問題視した。一部の英メディアは4月下旬、英政府が次世代通信規格「5G」のネットワークについて中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の参入を限定的に認める方向だと報じていた。

「もはや国防相として全面的に信頼することができない」。メイ首相は1日、ウィリアムソン国防相に書簡を送り情報漏洩を理由に引導を渡した。後任には女性のモーダント国際開発相を充てる。英BBCによるとウィリアムソン氏は漏洩を否定している。

英国では2日に統一地方選、23日に欧州議会選が控えている。与党・保守党への支持が低迷するなか「不祥事」への毅然とした対応をアピールする狙いが透ける。保守党筋は日本経済新聞に「NSCの情報は機密性が極めて高く、ほかの政策の情報が漏れた場合と次元が違う」と語った。

メイ首相はウィリアムソン氏が犯人だとする「逃れられない証拠」があると書簡で明らかにした。NSCには他の閣僚も出席していたが、ウィリアムソン氏だけが政府の調査に非協力的だったとも非難した。

ファーウェイを巡っては、米国やオーストラリアが安全保障を理由に5G分野への参入を禁止し、米は同盟国にも全面排除を呼びかけている。一方でネットワークの中核部分からは排除するものの、それ以外の部分での参入を検討する英の独自の判断は重要な国家機密だった。メイ首相は公表前の情報が漏れたことを重く見て、政府関係者の調査に入っていた。

ただ英国内には情報漏れを巡る政府の大がかりな「犯人捜し」に「報道の自由が侵害される」との批判もあがっている。

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