JR北海道は厳しい経営の立て直しに向けて、消費税率が引き上げられることし10月からの運賃の値上げを近く国に申請する方針を固めました。全体の値上げ幅の平均は、JR各社が発足以来、最大となる11%余りとする方向で最終調整に入っています。

JR北海道は利用客の減少が続いているうえ、老朽化した設備の更新費用が膨らみ、ことし3月期の決算では、最終的な赤字が過去最大の179億円に膨らむなど経営は厳しさを増しています。

関係者によりますと、こうした中、JR北海道は経営の立て直しに向けて、ことし10月から運賃を値上げする計画を今週中にも国に申請する方針を固めました。

消費税率の引き上げ分と合わせた値上げ幅は、初乗り運賃では30円値上げして200円とする方向で、普通運賃では平均15.7%、定期運賃も含めた全体の平均では11.1%とする方向で最終的な調整に入っています。

JRの一部の会社は、消費税率の引き上げ分を運賃に上乗せすることを検討していますが、JR北海道の値上げ幅は増税分を大きく上回っていて、昭和62年にJR各社が発足して以来、最大となる見通しです。

ただ、値上げでも増収効果はおよそ40億円と、最終赤字の5分の1程度にとどまる見通しで、JR北海道が広大な路線網を維持するためには、値上げ以外の対策も必要となりそうです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190508/k10011908121000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_011