日産幹部2人を不起訴 司法取引でゴーン前会長に関する情報を提供
5/10(金) 3:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190510-00000002-mai-soci

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)と会社法違反(特別背任)で起訴された事件で、東京地検特捜部は、司法取引(合意制度)で合意した日産幹部2人を不起訴処分とした。関係者への取材で明らかになった。

 関係者によると、日産の外国人専務執行役員と日本人秘書室元幹部の2人は昨年10〜11月、特捜部との司法取引に応じた。2人は、ゴーン前会長の役員報酬を有価証券報告書に過少記載したとされる金商法違反事件で、関連する全ての資料を特捜部に提出。ブラジルやレバノンなどの高級住宅を日産に提供させたとする疑惑についても情報提供したとされる。昨年6月の制度開始以降2件目の適用だった。

 特捜部は司法取引で入手した資料を活用し、金商法違反事件でゴーン前会長らを起訴。その後、司法取引の対象ではなかったサウジアラビアの知人への不正送金▽オマーンを経由した日産資金の自身への還流――の会社法違反事件でも追起訴した。

 幹部2人は金商法違反事件ではゴーン前会長とともに関与が疑われる立場にあったが、特捜部と起訴見送りの合意をしていた。一連の事件は4月22日に特捜部がゴーン前会長の4回目となる起訴をし、今後、公判に向けた手続きが進む予定。捜査に区切りがついたこの時期に不起訴にしたとみられる。法人としての日産は金商法違反で起訴されている。【遠山和宏、金寿英、志村一也】