コクヨ、ぺんてるへの4割出資を発表 海外開拓狙う

 コクヨは10日、筆記用具大手のぺんてるに出資したと発表した。
ぺんてるの発行済み株式の37%を持つ投資ファンドを通じ、間接的に
株を保有する。国内事業に軸足を置くコクヨと、海外進出を積極的に進めてきた
ぺんてるとで協業の可能性を探り、日本企業連合で海外市場での存在感を高める。

ぺんてるの筆頭株主は東証1部上場の投資会社、マーキュリアインベストメントが
運営するファンドだ。コクヨはこのファンドの大口出資者となり、事実上の
筆頭株主となる。出資額は101億円。

 コクヨの文具関連売上高のうち、海外は2割程度にとどまる。一方、ぺんてるは
海外で約20カ所の営業拠点を構え、海外売上高が6割強を占める。ノートが強みの
コクヨと、ペンが主力のぺんてるとでは、製品の重複も少ない。ぺんてるが持つ
海外の販路を活用するなど業務提携の可能性を探り、成長が期待される
アジア市場などでの成長を目指す狙いがある。

 マーキュリアは日本政策投資銀行が出資する投資会社。2018年3月に傘下の
ファンドが、ぺんてる株を創業家から取得した。文房具やオフィス家具の大手で
あるコクヨとぺんてるが組むことで、相乗効果が大きくなると判断した。
コクヨによる出資後も、マーキュリアはファンド運営者としてぺんてるの
経営に関与する。

 ぺんてるは「適時開示で発表された以上の内容は把握していない。
今後、どういう対応を取るか検討する」としている。

 ぺんてるは非公開企業で、18年3月期の連結売上高は409億円。世界初の
ノック式シャープペンシルを発売するなどした老舗企業だ。
コクヨの18年12月期の連結売上高は3151億円で、国内の文房具関連メーカーでは
首位。


日本経済新聞(2019/5/10 18:59)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44638580Q9A510C1MM8000/