0001ごまカンパチ ★
2019/05/17(金) 01:30:26.96ID:u5gV1XrB9■「死んだ星」ではなかった? 謎だった浅発地震の原因に新説
活断層の近くに住居を建てるのはなるべく避けたい。ただ、月に居住施設を建設するなら話は別だ。
というのも、月は長い間、地質的に死んだ星で、活断層など心配しなくていいと考えられていたからだ。
地球よりもかなり小さな月は、冷えるのも早いはずで、地殻変動に必要な熱は天体の内部に無いというのがその理由だ。
ところが、アポロ時代のデータを改めて分析した結果、月は死んだ星ではない可能性が見えてきた。
これまで考えられていたよりも、地殻活動が活発であるらしいことを示唆する研究が2019年5月13日付けで科学誌「Nature Geoscience」に発表された。
月にも地震、つまり月震が起こることは、アポロ計画で月面に設置された月震計の記録でわかっていたが、比較的浅いところで起きる
一部の地震については原因が不明だった。今回の論文によると、原因不明とされた月震は、断層崖と呼ばれる崖のような地形を震源地としているという。
「月のような岩石の天体が、誕生から46億年経った今も内部に熱を保ち活断層まであるとは、常識的に考えてあり得ないことです」。
論文の共著者で米ワシントンDCにあるスミソニアン協会のトーマス・ワッターズ氏は言う。
■解明されていなかった28の地震
アポロ11号の月面着陸から、2019年の夏でちょうど50年になる。
ソビエトとの宇宙競争時代、米国はとにかくソビエトよりも先に宇宙飛行士を月へ着陸させ、帰還させることに必死で、当時は月面で何をするかは二の次になっていた。
「そうだ。月に行ったら何をするか考えないと、という感じだったのでしょうね」。
論文共著者で、NASAマーシャル宇宙飛行センターの惑星科学者レネー・ウェバー氏は言う。
そこで、宇宙飛行士たちは石のサンプルなど豊富な地質学的データを採集して地球へ持ち帰った。
また、4回のミッションで、着陸した場所に月震計を置いた。それらの月震計は8年間稼働し、数千回もの揺れを記録した。
ウェバー氏によれば、月震は地球で起こる地震のメカニズムとは少し違うという。
観測された月震の大半は、地球の引力によって起きたと考えられている。月の引力が地球の潮汐を引き起こしているのと逆の現象だ。
月面には水がないため、水の代わりに月の表面が変形し、全体が楕円形に引き伸ばされ、また元の球体に戻る。
月では昼と夜の気温差が260度以上になることもあり、その急激な変化が月震を引き起こすこともある。
人工的に月震を起こすこともできる。実際、使い捨ての宇宙船の部品を月面に衝突させると、月震計はその揺れを観測した。
ところが、アポロ時代の月震計が記録した揺れのうち28回は、地殻の上部数千メートル(地質学的には浅い部分)で起こったものだった。
地球上であればマグニチュード5.5に匹敵する規模だが、実は40年以上その原因は不明だったのだ。
■震源はどこかを推定
2009年から、ワッターズ氏はNASAの無人月探査機ルナー・リコネサンス・オービターが撮影した画像を使って、月の全面にある数千もの断層崖を示した
地図を作製した。そして、断層崖の周囲にある物質の年代に基づいて、これらの断層崖が比較的最近になってできたものであると推定した。
おそらく、5000万年は経っていないだろうという。「地質学的に言えば、若いほうです。とても若いというわけでもありませんが」
ワッターズ氏は、地表に近い場所で起こる浅発月震が、この断層崖の付近で起こっているのではないかと考えたが、もっと証拠が必要だった。
というのも月震計の数はわずか4台、データも質が良いとは言えず、約160キロ以内の揺れしか観測できないものだったからだ。
そこで、地球上で地震観測網が十分に整備されていないところで震源地を特定するのに使われるアルゴリズムを用いて、浅発月震の震源と推定される場所を
絞り込んだ。すると、アポロ時代に記録された28回の浅発月震のうち、8回は断層崖の周囲30キロ以内で起こっていたこと、さらにそのうち6回は
月が地球から一番離れる遠地点付近で起きていることがわかった。
研究チームはさらに1万回にも及ぶシミュレーションで、同様のパターンで浅発月震が起きる確率も調べた。
こうした過程を経て、ワッター氏は原因不明とされてきた浅発月震の震源は断層崖であると見ている。
「私にとっては、驚きの結果でした。どう見ても、今も月では地殻活動が活発だということを示していると思います」
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