時間外労働220時間 「時をかける少女」アニメ制作会社に是正勧告

 映画「サマーウォーズ」や「時をかける少女」などで知られるアニメ制作会社
「マッドハウス」(東京都)が、制作進行の男性社員に違法な時間外労働を
させたとして、新宿労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが明らかに
なった。男性が加入する「ブラック企業ユニオン」が17日、東京都内で
記者会見して明らかにした。

 ユニオンによると、同社は労使協定で残業時間の上限を繁忙期で月60時間と
していた。労基署は、テレビアニメのスケジュールやスタッフ、素材などを
管理していた男性が、協定を超える月100時間超の残業をしていたと認定。
4月17日付で是正勧告した。割増賃金の未払いも指摘した。

 男性によると、月の総労働時間は最大393時間で、時間外労働は220時間に
及んだ。37日間の連続勤務で昼夜が逆転し、帰宅途中に過労で倒れて
救急搬送されたこともあった。病院で「心因反応」と診断され2カ月の治療を
受けた。

 同社は取材に対し「労基署からの指摘に従い、適切に対処したい」と
コメントした。


毎日新聞【矢澤秀範】(2019年5月17日 17時25分、最終更新 5月17日 17時45分)
https://mainichi.jp/articles/20190517/k00/00m/040/192000c