[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツ内閣は22日、オオカミが家畜に与える脅威が高まっている事態を受け、オオカミの射殺に関する規制を緩和することで合意した。メルケル首相率いる連立与党内では、この問題で1年にわたり議論が行われていた。

「赤ずきんちゃん」などのおとぎ話に登場し、ドイツではずる賢さや邪悪さの象徴だったオオカミは、一世紀以上前に同国から姿を消した。だが、ここ数十年でポーランドからオランダ国境に至る北部地帯に再び現れるようになり、増加している。

一部の農場ではヒツジやヤギ、ウシなどがオオカミに襲われる例が相次ぎ、大きな問題となっている。同国のオオカミ保護連盟(DBBW)の統計によると、動物への被害はヒツジやヤギを中心に、2000年時点でゼロだったが、現在は1600件を超えている。

同国で専門家による駆除の許可を得るためには、家畜がオオカミの襲撃により脅かされていることを証明する必要があった。今回の規則改定により、この証明はいらなくなるものの、深刻な被害が生じていることは示す必要があるという。

オオカミは保護動物となっており、野生動物の保護団体は個体数増加を歓迎。駆除に反対している。

2017/18年の最新統計によると、ドイツにはオオカミの群れが75あり、つがいが30組、単独個体が3頭生息している。

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