控訴棄却の筧被告が即日上告 連続青酸殺人事件、高裁判決受け
5/24(金) 20:49配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190524-00000030-kyt-l26

 京都府向日市を含む近畿地方の高齢男性4人に青酸化合物を飲ませたとされる連続殺人事件で、3件の殺人罪と1件の強盗殺人未遂罪に問われた筧千佐子被告(72)の控訴審判決が24日、大阪高裁であった。樋口裕晃裁判長は、死刑とした一審京都地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告の控訴を棄却した。無罪を主張していた弁護側は、判決を不服として即日上告した。
 筧被告は1年半ぶりに法廷に姿を見せ、弁護側は判決言い渡しの前、再度の精神鑑定の請求と被告人質問の実施を申し入れたが、樋口裁判長は「必要性がない」として却下した。
 裁判の争点は、認知症による責任能力や訴訟能力の有無▽死因▽供述の信用性−など。2017年11月の京都地裁判決は被告の完全責任能力を認定した。
 樋口裁判長は判決理由で、4件の事件について一審の事実認定はいずれも「正当」と指摘。一審後の認知症の影響については「精神状態に大きな変化があったという状況は見当たらない」として、訴訟能力に問題はないと退けた。
 控訴審で弁護側は、一審判決で「軽症」とされた認知症の鑑定は信用性が低いとして、専門医による新たな精神鑑定の実施を請求。その上で「認知症は一層進行し、既に訴訟能力を失っている」と公判の停止を求めたが、いずれも却下されていた。
 判決によると、遺産取得や借金返済を免れるため、07〜13年、夫の筧勇夫さん=当時(75)、向日市=ら男性3人に青酸化合物を飲ませて殺害し、神戸市の知人男性1人を青酸化合物で殺害しようとした。