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あの人のことば
2019年05月26日 15時19分 JST
国にパスポートを“奪われた”記者・常岡浩介さんは訴える 「このままでは世界の状況を見る視野を失ってしまう」
「これが許されると、人道や医療に関わる人が現地に行くことも国から妨げられることに...『ジャーナリストだけの問題ではない』」

ハフポスト日本版編集部

海外取材をするジャーナリストにとって、パスポートを奪われることは、筆を奪われることと等しい。国がパスポートを取り上げる―そんな報道の自由を制限するような事態が起きている。

ジャーナリストの常岡浩介さんは中東での取材経験が豊富なフリーの報道記者。2019年2月4日、イエメンでの取材を予定していたが、外務省より旅券返納命令があり、出国できなくなった。常岡さんは、4月に国を相手に命令の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。

旅券返納命令取り消し訴訟に関して呼びかけを続けてきた早稲田大学非常勤講師で元上智大学教授の田島泰彦さんと常岡さんが、ジャーナリストの堀潤さんが司会を務めるネット番組「NewsX〜8bitnews」5月13日放送に出演し、経緯と現状について語った。

そもそも、今回の旅券返納命令は「不可解なことだらけ」と2人は言う。

常岡さんは2月、羽田空港の出国審査場の自動化ゲートを通ろうとして、そこではじめてパスポートの返納命令が出ていたことを知らされた。

常岡さんは2019年1月、オマーンで入国を拒否され強制送還されていた。外務省からの旅券返納命令書では「オマーンにおいて入国を拒否され、同国に施行されている法規により入国を禁止されているため」との理由が記載されている。

しかし2月の渡航では「オマーンに行こうとはしていなかった」と常岡さん。

「(自分が)入国拒否されたオマーンに再入国しようとしていて、それがオマーンの迷惑になってはいけないので再入国をさせないというならまだわかるが、オマーンに行こうとしていないのに(旅券を)奪っている。」(常岡さん)

それに対し田島さんは「そもそもオマーンの入国拒否自体も不可思議です。ビザを取っているのに拒否されている。背後に日本大使館なり警察なりの影を見ざるを得ません」と指摘した。

さらに、本人には事前の通達がなかった。

「旅券法では、常岡さんのような立場の人には事前に聴聞の機会、弁解の機会を与えなければならないことになっている。しかし外務省はこれらの機会を与えませんでした」(田島さん)
(リンク先に続きあり)

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