ネット上の影響力を利用した販売促進手法の「インフルエンサーマーケティング」を装い、投資話で多額の資金を集めたなどとして、愛知県警は28日、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで、岡山県赤磐市で観光農園を経営する「西山ファーム」(NF)の名古屋、岡山両市の事務所など関係先を一斉に家宅捜索した。約束された入金が滞り、物品購入に利用したクレジットカードの返済に行き詰まる被害が多数出ており、県警は売買実態のない架空取引の疑いもあるとみて捜査を進める。

捜査関係者などによると、NFの投資話は20〜30代を中心に口コミで拡大。投資家に利益を約束し、資金を預かった疑いが持たれている。

投資家はNFから、代理店を通じて美容液などの化粧品や、サプリメントなどをカードで大量に購入。商品の多くが手元に届かず、投資家は提供された写真をインスタグラムに投稿すると代金の3割が報酬として戻り、商品は元値の7割で業者が買い取る上、カードのポイントが付与される仕組みとされた。
 
発信力の強い「インフルエンサー」に商品を宣伝してもらうインフルエンサーマーケティングの手法だが、架空取引を疑った信販会社が今年2月にカードを停止し、問題が浮上。東海地方や近畿などで消費者窓口や弁護士に相談が集まり、国民生活センターが注意を呼び掛けていた。

2019年05月28日09時52分
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