https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48418925

【世界を揺るがす】 ロボットが建てる家
2019/05/29
ベン・キング

建築の世界は新しいテクノロジーをなかなか取り入れてこなかった。しかしそれが今では急速に様変わりしている。ロボットやドローンや3D印刷といった新技術によって、建築はより効率的に、より創造的になりつつあるのだ。

どうして壁は常にまっすぐなのだろう。どうして費用がそんなにかかるのか。そしてどうして、大規模な建設事業はしょっちゅう予定より遅れるのか。建設業界はいつでも保守的、古くからのやり方に慣れきっていた。

しかし、革新の新風が吹き始めている。建物の姿形や造り方は変わるだろうし、建設業界の新時には勝ち組も様変わりするだろう。

これまでは施工業者の現実的な能力の限界が常に、設計士を制約してきた。しかし、工事をするのがロボットなら、ありとあらゆる新しい可能性の扉が開く。

壁がまっすぐなのはある意味、大工や設計士にとってそれが便利だからだ。しかしロボットにとっては、湾曲した壁もまっすぐな壁も同じだ。そのため、スイス・チューリッヒ郊外にある小さい試作ビルの「DFABハウス」では、中心の壁は優美で変則的な曲線を描く。壁の芯はロボットが溶接した鉄製のフレームで、機械の助けなしに人間が造るのはほぼ不可能だ。

さらに奇妙なのが屋根だ。まるで巨大な昆虫が隠していったような、流線型で有機的な縁から成り立っている。掃除は面倒かもしれないが、コンピューター設計をもとに3D印刷で造られたこの屋根は、普通のまっすぐな屋根と同じ強度ながら、重量はわずか半分だ。

スイスの連邦科学研究能力センター(NCCR)デジタル・ファブリケーションによるこの住宅は、コンピューターが設計してロボットが家を造るとどういうものになるか、具現化している。

ロボット大工
(リンク先に続きあり)

https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/14DC4/production/_107144458_forbbconly.jpg