母が6歳蹴る動画、兄が撮影・投稿してSOS

6歳だった次男に対する暴行罪などに問われた福岡県春日市の無職の母親(39)の初公判が29日、
福岡地裁(加藤貴裁判官)であった。
事件は暴行する様子を映した動画がインターネット上に拡散して発覚。
検察側は、中学生の長男が虐待を知らせるためスマートフォンで撮影、投稿したことを明らかにした。

起訴状では、母親は3月5日、自宅で、幼稚園児の次男の背中や腹を数回蹴ったり、踏んだりしたとしている。
ほかにも、商店で薬や酒を盗んだとして、窃盗罪にも問われている。母親はいずれも起訴事実を認めた。

検察側は冒頭陳述や証拠調べで、母親は2012年以降、長男への虐待行為を繰り返し、
児童相談所が16年に長男を一時保護した、と説明。
長男は、暴行を受ける次男を見て危険を感じ、ツイッターに動画を投稿したとした。

母親は被告人質問で、暴行した理由について
「次男が『腹が痛い』とうそをついて幼稚園を休んだと思い、頭にきた」と供述した。
長男と次男は現在、施設で暮らしているという。

検察側は論告で「長男が機転を利かせなければ、虐待がエスカレートしていた可能性がある」と述べ、懲役2年を求刑。
弁護側は最終弁論で「反省し、後悔している」と執行猶予付きの有罪判決を求めて結審した。
判決は6月12日。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190530-OYT1T50151/