「『ひきこもりは犯罪予備軍』は偏見だ」当事者の声広がる
NHK NEWS WEB 2019年5月31日 18時01分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20190531/k10011936561000.html

川崎市で起きた殺傷事件の容疑者が「長期間仕事に就かず、ひきこもり傾向にある」と報道されていることに対して、ひきこもりの当事者たちなどから
「ひきこもりが犯罪者予備軍であるかのように伝えるのは偏見だ」とする声が上がっています。

インターネット上では「犯人がひきこもりであった事実を否定はしない。
しかし、ひきこもりと犯罪を関連付けするのは危険ではないか」
「引きこもり傾向だったとして犯行に関係あるのか?引きこもりでも危険じゃない人間もごまんといるぞ!」といった声が上がっています。

ひきこもりの当事者たちで作る雑誌「ひきポス」の編集長で、自身もひきこもり経験者の石崎森人さんは
「(ひきこもりという)属性の一部が一致するからと言って、その他の人たちも同じように『危ない人』としてみるのは、偏見だ。
このような言説が広まれば、ひきこもりの当事者や、かつてひきこもりだった者も深く傷つく。
当事者を追い詰めるのではなく、しっかりと事件を検証し、社会の不安が和らぐ報道や言論であってほしい」とインターネット上の記事で訴えました。

石崎さんは「ひきこもりが危険人物だとする風潮は以前からあり、私自身も経験者として、
それを肌で感じてきました。『ひきこもりは外に出てこないし、何を考えているかわからない』として安易に結び付けてしまうのだと思います。
かつて、東京・埼玉幼女連続誘拐殺人事件が起きた時に『オタクは凶悪犯罪事件を起こす』と言われたことがありました。
その後、『オタクと犯罪は関係ない』と訴える活動などもあって、そうしたイメージがなくなっていったように、
ひきこもり当事者の側から声を上げることで、世間の持っているイメージを変えられると信じています」と話しています。