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2019-06-01
自民党はいい加減に「少子化問題」の責任転嫁をやめよ。
安倍政権 政治経済

桜田前五輪相が、29日に開かれた猪口元少子化相のパーティーで発した「お子さん、お孫さんには子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」という、余りにも無神経な発言に非難が集中しています。

桜田氏といえば、先月「復興よりも議員が大事」という被災地軽視の失言が決定打となり辞任したばかりで、正直「またか」と思っていらっしゃる方は多いと思いますが、この「子どもを産め」発言は現在の安倍自民党の「女性と子ども」に対する姿勢、体質を表すものであり、桜田氏個人の失言として流すべきではありません。

例えば、公文書改ざんやセクハラ問題などの責任を一切取らず、今も副総理兼財務相という「安倍政権ナンバー2」の地位に居座り続け、少子化対策を含む予算配分に大きな影響力を持つ麻生太郎氏は、2度も「子どもを産まない方が問題」という暴言を口にしています。

また、昨年の6月には自民党ナンバー2である二階幹事長が「子どもを産まないのは勝手な考え」という暴言を口にしています。

更に、安倍政権の尖兵として沖縄の民主主義を踏み躙り、また内閣人事局を通じた官僚支配に関わるなど、国家を私物化し市民を抑圧する安倍強権体制の立役者でありながら、新元号の発表程度で今では人気者扱いされている菅官房長官も「沢山産んで国家に貢献」などと、まるで子どもを「国のコマ」扱いする発言をしています。

この他にも「女性と子ども」に纏わる自民党政治家の暴言や失言は多々ありますが、取り敢えずは上述した自民党の権力中枢にいる政治家達の発言を見れば、今の自民党が如何なる思想をもって少子化問題を捉えているか分かると思います。

つまり自民党にとって少子化問題とは政治の責任ではなく、上述した麻生太郎、二階俊博、菅義偉の発言を総合しますと「子どもを産まずに国家へ貢献しようとしない勝手な市民が悪い」という訳です。

確かに、子どもはいらないという人はいるでしょう。しかし、子どもを作るか否かは我が民主主義社会においては完全な自己決定権の範疇であり、他者はおろか国家が軽々しく「ああしろこうしろ」と口出しすべき性質の問題ではありません。出産という行為が時には母体の生命と引き換えとなる事実に照らせば分かるはずです。

そして、そもそも論として少子化問題は「子どもはいらない」という人々によって引き起こされている訳ではありません。政府・厚労省に属する研究機関である「国立社会保障・人口問題研究所」が実施している意識調査によれば、子どもを産まない理由のダントツ1位は「子育てや教育にお金が掛かりすぎるから」となっており、30代では8割を超えています。下のグラフをご覧ください。

つまり、少子化問題の原因を作り出しているのは、子どもを産み育てるに十分な支援や制度設計をしてこなかった政治であり、罷り間違っても市民個々人の責任ではないのです。それは、自民党が与党としてコントロールしている政府自身の調査で明らかになっているにも関わらず、そんな自民党を動かす立場にある人々が、そのデータを無視してあくまで市民に責任転嫁するようでは全く話になりません。
(リンク先に続きあり)

異邦人 (id:samizdat1917) 8時間前

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