2011年3月の東日本大震災の津波で、宮城県石巻市から流され、行方が分からなくなっていた漁船が、約900キロ離れた高知県の沖合で約8年ぶりに見つかった。

 高知海上保安部によると、高知県須崎市の横浪半島から約2・3キロの沖合で5月27日午後、巡回中の県警警備艇が転覆した状態で漂流している漁船(全長約6・5メートル)を見つけた。船に付いていたエンジンは残っておらず、船体には貝などが付着していた。

 船体にあった漁船の登録番号から、宮城県石巻市の漁師、佐藤友広さん(50)が所有する日進丸と判明。佐藤さんはワカメやホヤなどの養殖や定置網漁などを営んでおり、東日本大震災では自宅を流される被害にあっていた。

 地震直後、所有していた2隻のうち1隻は津波から避難させたが、日進丸は間に合わなかった。佐藤さんは取材に「何で今頃出てきたんだろう。沈んだと諦めていた。よく生きてたな」と驚いた様子で語った。

 高知海上保安部の担当者は「親潮や黒潮で太平洋側をつたい、時には陸に乗り上げながら流れ着いたのかもしれない」と話している。(湯川うらら)

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