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ミニボート、転覆や無灯火に注意を

上越 海保が安全呼び掛け

繊維強化プラスチック製(上)と、ゴム製(下)のミニボート。組み立て式もある(上越海上保安署提供)
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 新潟県上越市の直江津港周辺で釣り人が乗ったミニボートの転覆事故が相次いでいる。上越海上保安署が把握しているだけで、4月下旬から5月末にかけて3件が発生した。船体が小さいため、バランスを崩すなどして転覆したとみられる。夜間の無灯火航行に関する苦情も多数寄せられており、本格的なマリンレジャーの季節を控え、同署は海岸パトロールや安全指導をして注意を呼び掛けている。

 ミニボートは全長3メートル未満でエンジン出力が2馬力未満の小型船舶。2003年の規制緩和で、操縦免許や船舶検査、登録が不要になった。車で持ち運ぶこともできる。

 手軽に沖釣りが楽しめるようになり、釣り愛好家を中心に近年利用が増えている。一方で、強風で戻れなくなったり、転覆や浸水したりするケースが後を絶たないという。同署の吉田勝昭署長は「海の知識、経験が浅く、海上の航行ルールに疎いまま沖へ出ている」と分析する。

 同署によると、転覆事故を起こした本人が通報することは少なく、事故の実態把握は難しいのが現状だ。

 また夜間(日没〜日の出前)の無灯火航行も目立つという。位置を知らせるライトを備えることが法律上義務付けられている。漁業関係者やレジャー客からは「近づくまでボートに気付かなかった」「日中でも見えにくいのに、夜間はなおさら」と、苦情や衝突事故を危惧する声が出ている。

 こうした現状を受け、同署は5月中旬の未明、直江津港周辺で安全指導を実施。釣りの準備をしていた13隻に対し、無灯火を理由に出航の取りやめを説得した。無灯火が違法行為だと知りながらも、「視界があるから大丈夫」などと海へ出ようとしていたという。

 吉田署長は「安全に対する認識が甘く、重大事故につながりかねない。風や波の状況を見て、釣りを楽しんでほしい。無灯火航行については厳正に対処していく」と話した。

【地域】 2019/06/07 16:29