「基地のない平和な沖縄を」 報道写真家石川さん 徒歩日本縦断ゴール
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190608-00000072-mai-soci
2019/6/8(土) 20:04配信
YAHOO!JAPAN NEWS,毎日新聞

写真:日本列島縦断の旅を終え、支援者らに出迎えられる石川文洋さん(左端)=那覇市で2019年6月8日午後1時55分、佐野格撮影
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 ベトナム戦争の従軍取材などで知られる報道写真家で、昨年7月から日本列島を歩いて縦断していた石川文洋(ぶんよう)さん(81)=長野県諏訪市=が8日、古里・那覇市の中心部にゴールした。
 妻桂子さん(55)や各地から駆けつけた仲間らが出迎える中、「人生で最良の日」と日焼けした顔に笑みを浮かべた。基地のない平和な沖縄を願い、歩いた3500キロの旅だった。

 那覇市生まれ。各国の紛争地でカメラを構え、戦争の愚かさを伝えてきた。日本縦断の「あるき旅」は日本海側を歩いた2003年以来2回目となる。

 昨年7月9日に北海道の宗谷岬を出発。06年に心筋梗塞(こうそく)を発症し心臓に不安を抱える中、約10キロのリュックを背負い、東日本大震災の被災地など太平洋側を歩いた。
 福島県では、東京電力福島第1原発事故の被災者とともに帰還困難区域も訪れた。

 四季の変化や少子高齢化による地方の衰退などを感じながら1日に100枚以上撮影。「徒歩だからこそ、心が動かされた瞬間がそれだけあった」と言う。

 5月下旬に沖縄入り。沖縄戦の戦跡を巡り、「多くの人にそれぞれの人生があった。
 それが失われたことは残念」と改めて思いをはせた。「気候もいいし海があり良い島。一方で(国内の)米軍基地の70%が集中している異常。この二つを強く感じた」と語る。

 ベトナムでは、沖縄から飛んだ米軍機が大量の爆弾を降らせた。
 「政治家は戦争を起こすが戦場には行かない。沖縄人としてつらかった。
 辺野古(米軍普天間飛行場の辺野古移設)に反対するのはベトナムのように沖縄が再び『加害者』になってはいけないから」と訴えた。
 【佐野格】