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「無痛分娩」で女性死亡の事故 遺族が病院側に約9300万円の賠償求め提訴

06/11 19:59

遺族は院長の不起訴処分についても“不当”として申し立ての予定

おととし、大阪府和泉市のクリニックで「無痛分娩」で出産した女性が死亡した事故で、遺族が病院側に9300万円あまりの賠償を求めて提訴しました。

【長村千惠さんの父・安東雄志さん(70)】
「民事で勝っても負けても、どうなっても私の娘は帰ってきません。そんなことじゃなくて私はただ一つ、こういう事故が先進国の日本で起こってほしくない」

おととし、大阪府和泉市の「老木レディースクリニック2」で、長村千惠さん(当時31)が麻酔で痛みを和らげる“無痛分娩”で次女を出産しようとしたところ、容態が急変し死亡しました。

その後警察がクリニックの男性院長(61)を業務上過失致死の疑いで書類送検しましたが、ことし4月、検察は嫌疑不十分で男性院長を不起訴処分としました。

長村さんの遺族は院長が麻酔を打つ際に適切に効いているかの確認を怠ったため死亡したなどとして、クリニックと院長に対し、あわせて約9380万円の賠償を求めて大阪地裁に提訴しました。

【遺族の代理人 谷直樹弁護士】
「確認するのは、本当に誰でもできる。ただ、さぼっただけなんですね。怠っただけなんです。医学部の学生が勉強する教科書に書いてあるんです」

【長村千惠さんの父・安東雄志さん(70)】
「(提訴が)医療改革につながってほしいですね。医師は罰すべきじゃないという社会的な認識がある。医師でも悪い人はいる」

遺族は今後、院長を不起訴とした処分についても不当だとして一般の市民からなる検察審査会に申し立てるということです。

クリニック側は取材に対し、「訴状が届いていないので申し上げることはありません」とコメントしています。