https://s.kyoto-np.jp/education/article/20190612000139

軽量・低コスト、太陽電池の新手法開発
京都大、実用化に期待

 太陽光発電の新しい手法を開発したと、京都大のグループが発表した。現状のシリコン太陽電池と比べて、軽量でコストの低い有機太陽電池の実用化につながる可能性がある。成果は13日、米化学会誌に掲載される。

 化石燃料の枯渇や温暖化の懸念がある中、太陽光など再生可能エネルギーが期待を集めている。しかし実用化されているシリコンを使った太陽光発電は、重量やコストが課題となる。こうした課題を解決するため、軽量で安価な有機化合物を使った太陽電池が注目されているが、発電効率の向上が必要となっている。

 京大物質−細胞統合システム拠点の今堀博・連携主任研究者と工学研究科の東野智洋助教らは、可視光を効率よくエネルギーに変換できる有機化合物のポルフィリン色素に着目し研究を重ねてきた。光を受けてエネルギー状態の高まった電子がうまく電気エネルギーに変換できるよう、ポルフィリン色素の構造設計を工夫。その結果、光エネルギーを電気エネルギーに変換できる効率は10・7%となった。

 実用化には15%が必要とされる。今堀主任研究者は「まだ改善が必要だが、実用化に向けた大きな一歩」と話した。
2019年06月13日 02時00分配信