中東のホルムズ海峡付近で日本の海運会社が運航するタンカーが攻撃されたことを受け、世耕経済産業大臣はサウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源相と会談し、エネルギーの安全保障を確保するための協力を求めました。

世耕経済産業大臣はG20=主要20か国の閣僚会合が開かれている長野県で、サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相と会談しました。

この中で世耕大臣は、中東のホルムズ海峡付近で日本の海運会社が運航するタンカーが攻撃されたことに懸念を表明し、エネルギーの安全保障を確保していくための協力を求めました。

これに対しファリハ エネルギー相は「エネルギーの安全保障を脅かす行為で、サウジアラビアとしては自分たちの領海や港湾、船舶の安全を守るべく取り得る手段を講じていく」と述べました。

そのうえで「国際的な原油市場の安定を保障していきたい」と述べ、原油の供給に一定の責任を持つ考えを示しました。

また世耕大臣はアメリカ・エネルギー省のブルイエット副長官とも会談し、協力を求めました。

これに対しブルイエット副長官は「日本側の懸念は認識している。ワシントンに戻って情報機関から説明を受け、知り得たことを共有したい」と述べました。

サウジ エネルギー相「攻撃 受け入れられない」

15日から長野県で始まったG20=主要20か国のエネルギーや環境を担当する閣僚の会合に出席しているサウジアラビアのファリハエネルギー産業鉱物資源相は、15日午後、NHKの取材に応じました。

この中でファリハ氏は「タンカーが攻撃される映像を世界は目の当たりにした。エネルギー供給に対する攻撃はどの国によるものであっても受け入れられない」と述べて、敵対するイランへの直接の言及は避けたものの、攻撃を強く非難しました。

そのうえで「サウジアラビアは豊富なエネルギーを安定的に供給するためにできることをする」と述べて、原油の安定供給に努める考えを示しました。

今回の事件をめぐって、サウジアラビアはジュベイル外務担当相がアメリカメディアに対し「アメリカの分析に全面的に賛成する。イランにはタンカー攻撃を繰り返してきた歴史がある」として、事件にはイランが関与しているとして批判を強めています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190615/k10011954101000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001