https://www.bbc.com/japanese/48648398

香港政府、逃亡犯条例の改正を中断 「説明不足」認め
2019年06月15日

刑事事件の容疑者を香港から中国本土へ引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案について、香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は15日、記者会見を開き、立法会(議会)での審議を中断すると発表した。条例改正案には香港市民から激しい批判が噴出し、大規模な抗議行動が続いていた。

林鄭氏はこれまで大規模な抗議行動を受けても、香港の法治改善のために改正案の審議を続けると強硬姿勢を示していた。しかし、この日の記者会見では、「我々の作業に問題があったことに加え、そのほか様々な要因が重なり、相当の物議を醸してしまったことに、深い悲しみと遺憾の意を覚える」と述べた。

この事態について林鄭氏は、自分たち政府に「いったん立ち止まり考えるよう」求める香港市民の声を聞き取ったと述べた。

さらに、改正案について「説明と意思疎通」が不十分だったことを認めた。
林鄭長官は、「香港にとって最大の利益」が自分の目的で、そのためにはまず平穏と秩序の回復が必要だと述べた。

長官はさらに、年末までに改正案を可決させなくてはという切迫感は、「もはや存在しないかもしれない」と述べた。「次の一歩」へ向かうとしたものの、具体的な期日は示していない。
中国外務省も同日、香港政府の決定を支持すると談話を発表した。

耿爽副報道局長は談話で、「中央人民政府は(香港)政府の決定を支持し、尊重し、理解する」と表明した。さらに、香港情勢が国際的に議論されている状況をふまえて、「(香港)情勢は純粋に中国の国内情勢であり、いかなる国や組織や個人からの干渉も受け入れない」と強調した。
多くの市民は、香港に対する中国政府の力が拡大することを懸念し、条例改正案に抗議していた。
(リンク先に続きあり)

「逃亡犯条例」改正案の先送りを発表した林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官(15日、香港)
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/1700/production/_107388850_hi054651995.jpg