https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190616-00000007-jij-cn
 香港で拘束された容疑者の中国本土移送を可能にする「逃亡犯条例」改正の延期を香港政府が決断した背景には、
貿易摩擦をめぐる交渉が難航する米国との間で、香港問題という新たな火種を抱えたくない中国政府の意向があったのは間違いない。
ただ、経済的な恩恵と引き換えに香港の自治を軽視する「一国」優先路線を採ってきた習近平指導部には大きな誤算となった。

 改正延期を促す有効打になったのは、米上下両院の超党派議員が13日に提出した「香港人権・民主主義法案」だとみられる。
同法案は、「一国二制度」を前提に香港に認める関税や査証(ビザ)発給などの優遇措置継続の是非を判断するため、
香港自治の現状に関する年次報告を米国務省に義務付ける内容。

 中国政府はこれに直ちに反応。
楽玉成外務次官が14日、米国の駐中国臨時代理大使を呼び出し、「香港へのいかなる干渉もやめろ」と厳重抗議した。
共産党機関紙・人民日報系の環球時報は15日の社説で同法案について「米国は香港という子供を使って親(中国)を脅そうとしている」と評し、
香港への優遇措置見直しが中国にとって大きな痛手になることを暗に認めた。

 習主席は、28、29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で、トランプ米大統領はじめ条例改正に懸念を示す欧米各国の首脳と
顔を合わせる予定。改正延期により習氏が大阪で釈明を求められる事態は避けられた。

 ただ、「『一国』は根であり、幹である」として香港への政治的締め付けを強化してきた習指導部には痛手だ。
大規模抗議デモで示された香港市民の「二制度」への危機感は、中国側のこれまでの姿勢が火を付けた側面を否定できない。
中国の強国路線が米国の警戒心をあおって勃発した米中貿易戦争も着地点は見えず、今後、習氏の政権運営に対する
党長老らの異論が大きくなることも予想される。


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