大ヒット商品の数々
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20190619-00566566-shincho-000-view.jpg

例のキャッチフレーズでお馴染みの老舗企業が揺れている。「ゴホン!」と社長のセクハラを指摘すれば、“咳払い”ならぬ厄介払い、とトンデモ人事の返り討ちにあった。問題を調査しただけの元法務部長がクビ、現場を目撃した執行役員も左遷されてしまったのだ。
.
日本人の喉を守り続けて200年以上と謳う株式会社龍角散の歴史は古い。江戸時代中期、佐竹藩(現在の秋田県)の御典医だった藤井玄淵が龍角散の原型を作ったのが始まりとされる。それから数えて8代目という老舗企業のセクハラ騒動が明らかになったのは6月6日のことだ。

龍角散の元法務部長の女性(52)が厚生労働記者クラブで会見を行い、藤井隆太社長(59)のセクハラを調べただけで解雇されたと東京地裁に訴えたのだ。

社会部記者が言う。

「昨年12月6日、会社の忘年会で藤井社長が40代の女性従業員に抱きつくなどセクハラをしたのです。元法務部長は現場にいなかったものの問題視し、すぐに女性従業員へヒアリングを行った。しかし、社長は同じ月の17日に“セクハラを捏造している”と激怒。元部長に自宅待機を命令し、今年の3月28日付けで解雇としました。元部長は地位の確認と解雇後に支払われるはずだった賃金などの支払いを求めています」

藤井社長は1995年に現職へ就任。桐朋学園大学音楽学部出身で、フルート奏者だったという異色の経歴の持ち主だ。その社長がセクハラを行ったのは都内の焼き鳥屋だった。宴もたけなわ、社長が締めの挨拶をしている時のことである。

龍角散の関係者が語る。

「15人程度が参加したその会で酔っていた社長は、挨拶の途中で脱線し、突然、女性従業員に“君が大好きだ”と言いだしました。そして、手や背中を触り、抱きしめたのです。彼女は“社長、私高いんですよ、お触り50円、抱き付き200円です”と気分を害さぬ形で抵抗していました」

さらに、こんな行為にまで及んだ。

「エスカレートした社長はこの女性に背中を向けさせ、“この首筋がゾクゾクする”“本当に色っぽいよ”などと語りかけました。彼女は“もう700円、900円になりました”と明らかに嫌がっているにも拘らず、セクハラを止めようとしなかったそうです」(同)

見かねた参加者が社長に「帰りましょう」と促し、後味の悪い形で忘年会は散会となった。

関係者が続ける。

「藤井社長は過去に別の女性従業員や取引先の女性にも“胸が大きいね”といったセクハラまがいの言動が見受けられ、また、元法務部長自身が突然、社長に抱き付かれたこともあったのです。会社には第三者のセクハラ相談窓口もなく、部長は以前から問題意識を持っていた。しかし、それでまさか解雇になるとは……」

しかも、セクハラが問題にならぬよう社長は先手を打っていた。

「被害者の女性は証券会社出身でセクハラには慣れていると話していたけれども、ヒアリングでその内容を認めていました。だが、告発には至らず。彼女はその後、なぜか、業務委託契約の従業員から正社員に昇格しているのです」(同)

このクビ騒動の陰にはもう一人の“被害者”がいる。同社の執行役員、福居篤子氏(54)である。元法務部長の実の姉で、製薬業界では知られた存在だった。

■“なんであいつだけ”

業界関係者によると、

「90年代後半に彼女が開発したのが服薬補助ゼリーでした。飲み込む力の弱い高齢者や小さい子どものために、薬をゼリーで包み、誤嚥(ごえん)を防ぐ画期的な商品だったのです」

当時、龍角散は40億円だった売上に対し、ほぼ同額の負債も抱え、経営不振に喘いでいた。その後、子ども向けの「おくすり飲めたね」などのゼリー商品が大ヒットし、今では、売上200億円強になるまでに。

龍角散の顧問を務める砂田久一氏がこう指摘する。

「販売後、各社から“なぜこういう商品を思いつかなかったのか”という声が聞かれました。実際、類似品がいくつも出ていますが、『おくすり飲めたね』の牙城は崩せていません」

まさに会社を救った功労者のはずだった。

以下ソース先で

6/19(水) 5:58
デイリー新潮
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190619-00566566-shincho-soci&;p=1