財布を無くした時、中に入っているお金が多ければ多いほど、戻ってくる可能性が高くなるとする実験結果をアメリカの研究者が発表しました。研究グループは金銭的な欲よりも盗むという後ろめたさが勝るためと分析しています。

この実験はミシガン大学などの研究グループが、世界40か国の355都市で行ったもので、アメリカの科学雑誌「サイエンス」に発表しました。

実験ではまず、銀行や美術館、ホテルなどに落ちていた財布を見つけたと届け出ました。

財布には持ち主の連絡先が書かれた名刺が入っていて、連絡が来たのはお金が入っていないと平均40%でしたが、日本円で1500円ほど入れた場合は、51%と各国で差はあるものの38の国でお金が入っていたほうが高くなりました。

さらにアメリカやイギリスなどでは1万円余りを入れた場合についても調べたところ、これらの国では、連絡が来たのはお金が入っていない場合46%、1500円ほどの場合61%だったのに対し、1万円余りの場合は72%にまで上がりました。

研究グループは、連絡した人に聞き取りをした結果、金銭的な欲よりも財布を無くした人を心配する気持ちや、盗むという後ろめたさが勝るためと分析しています。

日本は今回の実験に含まれていませんが、研究グループは「予想とは逆で、行動を決める際、金銭面より心理的なことが大きいことが分かった。誤った行動に伴う後ろめたさを知らせることで、正直な行動を促せるのではないか」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190621/k10011963171000.html

原文
https://gizmodo.com/researchers-lost-17-000-wallets-in-hundreds-of-cities-t-1835666685

画像
https://i.kinja-img.com/gawker-media/image/upload/l0lftwfayvqby7z1ysw7.png