https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190622-00010001-binsider-int
 アメリカが中東に米兵を追加派遣する中、アメリカの外交トップはイランに対し、イランもしくはイランが支援する武装勢力の手によって、
米兵が1人でも命を落とすようなことがあれば、軍事的な報復を招くだろうとの警告を内密に伝えていた。
ワシントン・ポストが6月18日の夜、米政府高官への取材をもとに報じた。

アメリカは5月、中東に展開している米軍に対して、イランによる攻撃の兆候があるとし、空母エイブラハム・リンカーンを中心とする
空母打撃群と爆撃部隊を中東に派遣した。

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は5月5日、中東に展開している戦力は
「アメリカの利益もしくはその同盟国の利益へのいかなる攻撃も、容赦しない武力に遭遇することになるだろうという、
明確かつ間違えようのないメッセージをイランに送る」ことを目的としていると述べた。
その2日後、ポンペオ国務長官はイラクの首都バグダッドを予告なしに訪問し、ここで1人でもアメリカ人に犠牲が出れば、
反撃には十分だとの警告を与えたと、ワシントン・ポストは報じている。
米陸軍に所属していたこともあるポンペオ国務長官は、ボルトン大統領補佐官とともに、アメリカのイランに対する「最大限の圧力」戦略を推し進めている。

これ以降、アメリカは中東地域に戦力を追加し、ホルムズ海峡に近いオマーン湾のイラン沖で、日本関連のタンカー2隻が攻撃されたことで
(アメリカはイランの仕業だと主張している)、さらに多くの戦力を中東へ向かわせている。
米軍は6月18日、アメリカはタンカー攻撃に対して、単独で軍事行動を取るつもりはないと明かした。
統合参謀本部のポール・セルバ副議長は、タンカー攻撃に対するいかなる軍事行動も「国際的なコンセンサスを必要とする」と述べた。
米軍は、攻撃はイランのせいだとする証拠を示すことで、このコンセンサスを取り付けようとしている。

「イランがアメリカ人を狙うなら、アメリカの資源もしくは米軍には軍事行動で対抗する権利がある。彼らはそれを理解しておくべきだ」と、
セルバ副議長は報道陣に語った。
「イランは我々が何もしないと考えているのだろう。だからこそ、我々のメッセージは明確だ」という。
その上で、イランは「国際社会に難癖をつけている」が、「イランの直接の関与を指摘できるようなあからさまな攻撃で、アメリカの資産に触れてはいない」
と付け加えた。

トランプ政権のある高官はワシントン・ポストに対し、「アメリカ人が殺されたら何が起こるか? それは全てを変えるだろう」と語った。

国防総省のトップが代わる中、イランとの膠着状態をリードするのはポンペオ国務長官のようだ。
ポンペオ国務長官は、シャナハン国防長官代行が長官指名を辞退した18日、米中央軍(CENTCOM)を訪れている。
「侵略を思いとどまらせるために我々はいる。トランプ大統領は戦争を求めていない」と、ポンペオ国務長官は言う。
「我々はこのメッセージを伝え続けるとともに、中東地域でアメリカの利益を守るために必要なことをやっていく」