>>923
454%の上乗せ課税だから結構キツかったぞ

日米スパコン貿易摩擦

SXシリーズの価格性能比の高さは次なる波紋を引き起こした。ベクトル型スパコンの
専業メーカであるCray社は、自社での新型スパコンの開発においてNEC製スパコンの
1/4程度の性能しか出せず、アメリカ国内のスパコン調達案件において連敗を続けたため、
NECがスパコンをダンピングしていると議会に呼びかけ、大規模なロビー活動を始めた。

実際には、日本政府がNECに補助を施したとか、ダンピングであるとする主張は全く
根拠が無く言いがかりとしかいえないレベルのものであった。しかし、バブル期における
日本の一人勝ち状態によるアメリカ側の不満や、防衛庁の次期支援戦闘機計画(FSX)の
国産化調整で表面化していたアメリカ商務省と通商産業省との仲の悪さが全てを最悪の
方向に導いていく。

このロビー活動により、アメリカ政府はNECが汎用機で揚げた利益を原資にスパコンを
不当に廉価で販売をしているという虚偽の理由を付け(前述の理由などにより)、スーパー
301条による454%の上乗せ課税という特殊関税を賦課したため、NECがアメリカにスパコン
を輸出することは実質不可能となってしまった。さらに、この課税対象は日本の全スパコン
ベンダーに及ぶ事になる。

なお、NEC及び日本の各ベンダーのビジネススキームは正当であり、アメリカが非難する要素
は無いと各国の記事が書いている。