夫婦別姓で陳情のサイボウズ・青野さん「社会のひずみ認識を」
毎日新聞 2019年7月1日 08時15分(最終更新 7月1日 08時15分)
https://mainichi.jp/articles/20190701/k00/00m/040/006000c

◆愛媛県議会に請願へ
 選択的夫婦別姓制度を巡り、国会で審議するよう国に意見書を出すことを求めた陳情を
愛媛県今治市議会が6月28日に不採択としたことについて、陳情した同市出身でソフトウエア開発会社
「サイボウズ」社長の青野慶久さん(48)は、毎日新聞の取材に
「制度について正しい知識を伝えられず、力不足だった」と話し、県議会と松山市議会に9月議会に合わせて請願する考えを改めて示した。

 青野さんは「個別に丁寧に説明できれば、制度は反対するものではないと分かってもらえるはず。
名前を変えることがどれだけ大変で社会のひずみを生んでいるか認識してほしい。
選択肢を用意すれば皆がハッピーになれる」と述べ、県議会や松山市議会での議論に期待感を示した。

 陳情は、6月24日の教育厚生委員会と28日の本会議で議論され、女性議員らが採択を主張したが、
圧倒的に反対が多く、いずれも不採択となった。
本会議での討論で不採択派は
「(選択的夫婦別姓制度を導入すると)さまざまな問題が発生。日本の伝統が一気に崩れ去ってしまう」などと主張していた。

◆ツイッターで反響「選択肢が増えるのはいい」今治市議会に違和感も
 今治市議会への陳情を巡っては、委員会や本会議の不採択などを伝えた毎日新聞の記事を受けて、ツイッターで多くの反響が上がった。

 記事を引用した投稿では「選択可能ということはこれまで通り、国民性、歴史観、家族観を重視したい人は
すればいいし、奪われるものは無いはずなんだけどね」
「強制されず選択肢が増えるっていい」などと不採択とした同市議会の結論に批判や違和感を述べる人が多く、
同市議会で女性市議が極めて少ないことについて
「(委員会の)メンバーとその意見を見ると、物事を決める組織には女性の参画や若返りも必要」と指摘する声もあった。

 一方、不採択に賛同する投稿はほとんどみられなかったが、
「家族・親子別姓(子どもが未成年のうちに限る)には反対。どうしてもと言うなら、
子どもにも新しく好きな姓を名乗らせるべき」などの意見があった。

◇ サイボウズの青野慶久社長=2019年3月25日、和田大典撮影
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