河村たかし名古屋市長=名古屋市東区で2019年4月、三上剛輝撮影
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 大阪市で6月28日に開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の夕食会で、安倍晋三首相が大阪城天守閣にエレベーターが設置されていることを「大きなミス」と発言したことについて、名古屋市の河村たかし市長は1日、「首相の気持ちはよう分かる」と擁護した。報道陣の取材に答えた。

 名古屋城天守閣の木造復元を目指す河村市長は昨年5月、「史実に忠実な木造復元を優先させる」として、新天守閣にエレベーターを設置しない方針を表明した。河村市長は安倍首相の発言について「文化や伝統を大事にしようという趣旨でしょう」と理解を示した上で、「本物を皆に見て触れてもらうのが本当のバリアフリー。エレベーターを作るのは冷たい考え方だ」と持論を述べた。

 一方、市内の障害者団体などでつくる「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」の近藤佑次共同代表は「(首相発言は)信じられない。ジョークだとしても障害者をばかにしている」と反発。河村市長の発言についても「エレベーターをつけない方針なので、首相の発言に乗っかりたいのか」と批判し、「(名古屋城で)エレベーター不設置を認めると、今後の全国の事業にも影響する可能性がある」と話した。実行委は2日、エレベーター設置を求める市民の署名を市に提出する予定。

 安倍首相は夕食会のあいさつで、天守閣が約90年前に復元されたことを紹介。その後、「しかし、一つだけ大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました」と続けたことに、インターネット上などで反発が広がっている。【野村阿悠子】

7/1(月) 19:37配信
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