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香港政府、デモ隊の刑事責任追及へ 議会一時占拠巡り
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香港=益満雄一郎、北京=延与光貞
2019年7月3日0時54分

 香港の「逃亡犯条例」改正案の撤回を求めるデモ隊が立法会(議会)を一時占拠したことを受け、香港政府は2日、参加者らの刑事責任を追及する方針を表明した。行動と要求をエスカレートさせるデモ隊には市民からも批判が出ており、香港の混乱は出口が見えなくなっている。

 ガラスを割って立法会庁舎になだれ込んだデモ隊が警察に強制排除されて3時間ほどたった2日午前4時(日本時間同5時)。香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は警察本部で緊急会見を開いた。

 林鄭氏は「違法な暴力行為で憤りと心痛を覚える」「市民も同じ思いだと信じる」と憤りをあらわにし、占拠に加わった関係者の刑事責任を「徹底的に追及する」と強調した。

 林鄭氏の強硬姿勢は急進的な若者らの反発をさらに高める可能性もあるが、1日の立法会占拠は、平和的なデモ行進を貫くことで市民の支持を集め、政府を追い詰める戦略を進めてきた民主派にとっては逆風となりそうだ。

 実際、今回の破壊行為に対しては市民から「やりすぎ」との批判があがる。中立的な報道で知られてきた地元有力紙「明報」も2日付の社説で、「社会は(市民が)立ち上がることと暴力の境界線を明確にする必要がある」と指摘し、デモ隊の動きを批判した。

 6月、改正案への抗議には一般…
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