飼い猫1匹を盗んだ男 器物損壊・動物愛護法違反で起訴
チューリップテレビ【2019/07/03 18:34】
http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/index.html?TID_DT03=20190703190802

 射水市の路上で近所の飼い猫1匹を盗んだとして先月、逮捕・送検された富山市の52歳の男について、
富山地検は3日、盗んだネコを虐待し死なせたとして器物損壊と動物愛護法違反の罪で起訴しました。

 「せっかく苦労して捕まえたのにすぐ死んでしまったら面白くないから、ただニャーニャー鳴いているのを聞いて楽しんでいた」(新村被告)

 先月、こう話していたのは、富山市布目(ぬのめ)の無職・新村健治(しんむら・けんじ)容疑者(52)です。
 3日、器物損壊と動物愛護法違反の罪で起訴されました。

 起訴状によりますと、新村被告は、今年5月に射水市の路上で近所の男性の飼い猫1匹を持ち去り、
およそ5日間、自宅の浴室で捕獲器に入れたままエサを与えず、プラスチック製の棒で腹部を何度も突くなど
虐待を加え、死なせたとされています。

 新村被告は先月、取材に対し虐待を認めるような発言をしていました。

 Qしばらく放置して何をした?「お湯をかけました」(新村被告)

 Qどうしてそんなことをした?「ストレス発散で」(新村被告)

 一方、捜査関係者によりますと、死んだネコは見つかっていないということです。

 地検は新村被告の認否について明らかにしておらず「法と証拠に基づいて判断した」としています。

 起訴をうけ飼い猫を盗まれた射水市の男性は…
「この日を待っていたというか、起訴されるのが当然だと思っていたし、願っていた。厳罰を受けてもらいたいし、
簡単に社会に戻れるようなことは誰も望んでいないと思うし、私も望んでいない」(飼い主の男性)

 今回の事件で新村被告は、窃盗の疑いで送検されましたが、器物損壊と動物愛護法違反の罪で起訴されています。

 これについて法律の専門家は…
「窃盗で起訴するには、財物に対する経済的な利用意思が必要になってくるが、動物を虐待する目的は、
転売など経済的利用ではないので、窃盗罪ではなく器物損壊」(有澤弁護士)

 警察のこれまでの調べに対して、新村被告はネコの遺棄を含めて容疑を認めていますが、肝心の死んだネコは1匹も見つかっていないといいます。

 そうした中での立件について…。

 「起訴状に記載された猫については、被告人の何らかの証拠が見つかってるんだと思う。
(供述している)他の数十匹の猫については、証拠が見つからない限り起訴はできないと思う」(有澤弁護士)

 今回の事件について有澤(ありさわ)弁護士は、判例に鑑みて執行猶予が付く可能性が高いといいます。

 「13匹の猫を残虐な方法で死傷させたという事案があり、それに関しては懲役1年10か月、
執行猶予4年という裁判例があります。刑務所に入れなくても社会内で更正できると裁判所が判断する事情が
なければ、実刑になる可能性もゼロではないが、今の現状ではかなり低いと思う」(有澤弁護士)