キャプテン翼が今のサッカー人気を作ったように、
ラブコメが若者たちの恋愛への憧れを育てていたんじゃなかろうか。
なんとなく惹かれ合う男女が、付かず離れずを繰り返し、相思相愛でハッピーエンドという往年のラブコメ王道パターンが、読者である若者に恋愛は過程にこそ喜びがあることを教育していた、と。
だから、当時の若者向け雑誌も、デートにこぎ着けるためのハウツーや何を着るか何を食べるか、どんな映画や車がデート向きか、って情報に溢れていた。

イマドキのは、いきなりモテモテ、それも複数の美少女から言い寄られる、ラブともコメディともかけ離れたハーレムポルノばかり。
「気になるあのコとどーしたら仲良くなれるか」って過程にドキドキすることなしに、楽して欲求解消することばかり考える受け身の人間が増える一助になってる気がしてならないんだが。