43年間献血を続ける熊本市東区の会社員、桂国男さん(59)が5日、熊本県内で初めて献血千回を達成した。「命のボランティア」とも呼ばれる献血。提供した血液は少なくとも500リットル、ドラム缶2・5本分に当たる。桂さんは「健康をお裾分けする気持ちで続けてきた」と笑顔を見せた。

 桂さんは大津産業高(現翔陽高)の1年生だった1976年、学校に献血車が来た時、初めて献血を経験。これを機に学校の休みや仕事の合間に献血ルームに通って、いったん抜いた血液から血小板や血漿[けっしょう]を取り出す成分献血を続けた。記録が残る献血手帳は71冊。

 成分献血は献血者の安全を考慮し、年間最高24回までしかできない。桂さんは事故でけがをした時など、間隔が空いたこともあったが、43年間平均するとほぼ24回に近い。

 健康管理に特に気を付けているわけではないが、「昔は図書券などがもらえ、ジューシーも飲んだ。献血回数が増えていくのも楽しみだった」と明かす。

 県赤十字血液センター(井清司所長)はこの日、センター内の献血ルームで千回目を終えた桂さんに感謝状を贈呈。井所長は「千回達成はめったにない。桂さんを尊敬する。努力に感謝したい」とたたえた。

 献血は69歳までできる。ことし還暦を迎える桂さんは「これからもできる限り続けていく。若い世代にももっと協力してもらいたい」と話した。(國崎千晶)

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