すみません、通ります。

この言葉は、通ることを周囲にお知らせして、
お互いにぶつかったり、車いすのタイヤで足を轢いたりしないための、
声掛けであることなのです。

スミマセンは、謝罪の言葉ばかりではないのです。
このお嬢さんは、27歳で車いす生活に入られ、
30代になられた。
ならば、日本語というのは、言葉のまんまだけではないということを、
そろそろ知らないとなりません。
周囲との距離をうまく取るための「方便」を使うことが適切な場面はあります。

しかもその方便を、車いすを押してくださった方がわざわざ使ったという、
どれほど配慮をしたかに思いが馳せられていないのは、
人間としては未熟であると言えようかと。