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国内で廃船となった中古漁船が無許可で北朝鮮に輸出された事件で、警視庁公安部は二十八日、外国為替管理法違反(未承認輸出)容疑などで、新たに神戸市長田区東池尻町、
貿易会社「東亜技術工業」の社長、金基敏容疑者(五二)と、取締役、島田利一容疑者(五三)を逮捕した。

公安部は金容疑者が北朝鮮からの指示を受けて、密輸グループに実行を命じた“黒幕”だったとの見方を強めており、関係先の家宅捜索にも着手した。

これまでの調べでは、昨年六月、福島県・小名浜港から中古イカ釣り漁船一隻(約一三〇トン、二十七メートル)を下取り、インドネシアに輸出するよう装ったうえ、
偽造した関係書類を通 産省(当時)に提出して、同年八月北朝鮮に輸出したとして、埼玉県春日部市のアカガネ海運産業社長、前田純平(六七)ら四容疑者が逮捕された。

この際、公安部は金容疑者の関係先にも捜索を実施。押収物を分析した結果、
金容疑者が北朝鮮当局からの指示を受けて、前田容疑者ら「実行犯」に不正輸出を実行させていた疑いが強まった。

金容疑者の「東亜技術工業」は平成八年四月、サリンの原料となる化学物質を北朝鮮に不正に輸出したとして、
外為法違反容疑で兵庫県警に社員が逮捕されたことがある。関係者によると、金容疑者は、同社を通 じて、海外の船主などと取引を展開している。
北朝鮮ともつながりがあると指摘されていた。