フィリピンのパラワン島沖で10年以上前、ある漁師が漁のさなかに巨大な二枚貝を発見。
その中には世界最大級の天然真珠があった、漁師は幸運のお守りとして、この珍しいお宝をずっと自分のベッドの下に隠していた。

ある日、彼の住む丸太小屋が火事になってしまい、この真珠を移動させなくてはならなくなった。
その結果、世界最大の真珠が初めて世間にお目見えすることになった。

大きさは長さ67センチ、幅30センチ、重さ34キロというオバケのような真珠である。
その価値は1億ドル。日本円にすると約108億円というから驚きだ。

漁師は自分の小屋が焼失してから、お守りとしてずっと手元に置いていたこの巨大な真珠を、自分の叔母である、アイリーン・シンシア・マガイ=アムラオさんに委ねた。
アイリーンさんは、パラワン島プエルト・プリンセサ市の観光局長をしている。

「ディナーテーブルの上に置かれたこの真珠を見たとき、驚いて言葉も出ませんでした」アイリーンさんは語る。
「どれくらいの価値があるのかわからないから、これを隠しておいても意味がないので、一般に公開してはどうかと甥に言ったんです」

2016年8月22日、甥の同意を得て、この貴重なお宝がついに一般公開された。
現在も、プエルト・プリンセサのニューグリーン市役所で展示されていて、町の観光の目玉のひとつとなっている。

アイリーンさんは、甥がどのようにして嵐の中、この巨大な真珠を見つけたのかを説明した。
「甥は下ろした錨がなにかに引っかかったのに気がついて、潜って錨を引き上げて、貝ごと持ち帰ったのです」

真珠のほとんどはアコヤガイの中にでき、今回見つかった貝(シャコガイ)ではほとんどできないため、アイリーンの甥が見つけたこのお宝はとてつもない価値がつく。
発見者は、この巨大な真珠が1億ドル(約108億円)もの価値があるとは露ほども思わずに、自分の丸太小屋に10年もしまい込んでいた。

「甥はあの真珠が、まさかそんなに価値のあるものだとはまるで知りませんでした。ただ、幸運のお守りとして家の中にしまっておいたのです。漁に出るたびに、真珠に触れていたと言っていました」アイリーンさんは語る。

巨大な真珠を見せられた漁師の家族はびっくり仰天。
今は、宝石学者のお墨付きを待っているところだ。

「調べてみましたが、これまでのところ、こんなに大きな真珠についての記録はどこにも見つかりません」とアイリーンさん。
「でも、オオシャコガイから世界最大の天然真珠が出たことという珍事で、プエルト・プリンセサは、サイズ新記録とともにもうひとつ有名になると思います。世界で記録されている巨大真珠は皆、ここパラワン海域から見つかっているのですから」

新たにお目見えしたこのお宝は、これまでの最大真珠「老子の真珠(アラーの真珠とも呼ばれる)」の5倍以上の大きさで、その記録をやすやすと塗り替えた。

「老子の真珠」は、1934年にやはりパラワン沖でフィリピン人ダイバーによって発見された。
発見者は残念ながらこの真珠の回収中に命を落とした。

「老子の真珠」はフェルディナンド・マルコスやウサマ・ビン・ラーディンが秘かに持っていたと言われている。
重さ6.4キロで、コロラドスプリングスの宝石学者マイケル・"バズ"・スティーンロッドによって、2003年に9300万ドルの価値があると鑑定された。

プエルト・プリンセサ市の広報、リチャード・リガドは、アイリーンさんの話をはっきり裏づけ、巨大真珠が発見者の運命を変えたという。
「彼は市にあの真珠を寄付するといったことにはまだ同意していません。だから、あの真珠は彼のものなのです」

アイリーンさんの希望はシンプルだ。
「あの真珠をこのまま展示しておいて、もっと観光客をこの町に呼び込んでくれればいいと思っています」

▼写真 https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/c/c/cc488d04.jpg
▼動画 https://youtu.be/ojDfVKyiSyE

http://karapaia.com/archives/52276797.html