https://www.cnn.co.jp/world/35139626.html

島1つ失い敗北の道へ、南シナ海情勢でよみがえる日米戦の教訓
2019.07.12 Fri posted at 17:00 JST

香港(CNN) 1944年7月初め、太平洋に浮かぶ小さな島をめぐって、米軍と日本軍が第2次大戦中で最悪の規模の死者を出す激戦を繰り広げた。
日本側は政府が送り込んだ兵員のほとんどすべてに相当する2万9000人が戦死。対する米軍は約3000人が命を落とし、1万人以上が負傷した。

マリアナ諸島のサイパン島におけるこの戦闘は、日米間の戦争の趨勢(すうせい)を決した戦いとして知られる。勝利を収めた米軍は近隣のテニアン、グアム両島を含む3島に滑走路を建設。これらの拠点から戦略爆撃機「B29」による日本本土への大規模空襲を行い、戦局で圧倒的優位を占めるに至ったからだ。

一時期、テニアン島の米空軍基地には6本の滑走路が敷かれ、約270機のB29が配備されていた。45年8月、広島と長崎に原子爆弾を投下したB29も、同島の基地から飛び立っている。
複数の国が領有権を争う現在の南シナ海で、中国が実効支配する島に滑走路を建設している状況を考察するとき、75年前の「サイパンの戦い」で得られた重要な教訓を改めて思い起こすべきだろう。

南シナ海

南シナ海は約337万平方キロにわたって広がる太平洋西部の海域で、国際水域と各国が領有権を主張する水域、島々とで構成されている。中国は同海域の環礁を埋め立てて滑走路や軍事拠点を建設している。これらの施設に航空機を配備すれば、より広範な領域への軍事攻撃が可能になる。
(リンク先に続きあり)

日本軍との攻防戦が行われているサイパン島に上陸する米軍の増援部隊/ALAMY
https://www.cnn.co.jp/storage/2019/07/09/65a3dc92db63cd7e7a3f71c103fe491c/t/768/431/d/battle-of-saipan-02-restricted-exlarge-169.jpg