会社事務所や店舗などへの放火は人が室内に密集しているため、被害が拡大する傾向にある。

平成20年10月には、大阪市浪速区の雑居ビル1階に入る個室ビデオ店で、男が個室内にライターで放火、店内に避難口となる窓や排煙設備はなく、逃げ遅れた客16人が死亡した。男は殺人と現住建造物等放火などの罪で死刑判決が確定している。確定判決によると、男は自殺しようと考え、放火したという。

また、13年5月には青森県弘前市の消費者金融「武富士」弘前支店に強盗目的で男が押し入り、ガソリンを店内にまいて逃走。従業員5人が死亡した。男は強盗殺人罪などで死刑が確定し、26年に執行された。

交通機関でも被害があった。27年6月、神奈川県を走行中の東海道新幹線車内で、男が焼身自殺した事件では、乗客の女性が巻き込まれて死亡し、煙に巻かれた多数の負傷者が出た。男は周囲に年金に対する不安を口にしていた。

近年で最も死者が多かったのは、13年9月に東京・歌舞伎町にある雑居ビルで発生した火災だ。3階のマージャン店が火元で、唯一の脱出経路だった階段が激しく燃えたことから逃げ遅れた44人が死亡した。この火災の後、避難、安全基準の見直しや違反者の罰則強化など消防法が大幅に改正された。警視庁は放火の疑いがあるとして捜査を継続している。

7/19(金) 8:39
産経新聞
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