>>15
続き

◆診療報酬アップ実現へ支援 われわれは「集票マシン」

「われわれは『集票マシン』。一生懸命、票を集めて選挙を戦っていく」

十一月二十九日夜、東京都内のホテルで開かれた自民党参院政審会長の武見敬三氏の政治資金パーティー。
壇上で日歯連の高橋英登会長が発言した。
武見氏は、故・武見太郎元日医会長の息子で、医政に精通する国会議員の一人だ。
会場には日医の横倉義武会長をはじめ、さまざまな医療関連団体幹部の姿があった。

診療報酬の改定率決定が十二月に迫る中、
登壇した医療関連団体の幹部らは口々に「プラス改定にしていただきたい」(東京都病院協会会長)、
「診療報酬が引き下げられると、安心した医療が受けられなくなる」(都医師会会長)などと要望を述べた。

武見氏は「本体部分はプラス改定をしっかり確保することが必要だ」と強調する一方
「次の参院選では、皆さまのご支援とご協力をいただきたい」と選挙支援を依頼した。

診療報酬は、病院や薬局が医療行為の対価として受け取るお金で、
医師の技術料にあたる「本体」と医薬品の「薬価」で構成される。
政府が二年に一度改定し、改定率や改定内容は医療機関の経営に大きな影響を及ぼす。
医療関連団体は献金と集票の見返りに、診療報酬や税制の要望を実現してきた。

関西地方の医師会の幹部は「財務省や厚労省が医療費を抑制しようとする中、
それを押しとどめるためには、国会議員を動かす必要がある」。

過去二十年間では〇二〜〇六年度を除き、本体部分はプラス改定が続いている。

医療ガバナンス研究所の上(かみ)昌広理事長は
「診療報酬目当てで政治献金を行うことは、『点数を金で買っている』との批判を免れず、社会の信頼を損ねる。
長期的な医療の発展にもマイナスだ」と指摘している。