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2019.07.22 Mon
ひきこもりと犯罪
井出草平 / 社会学

ひきこもりの犯罪は稀なのか

昨今、ひきこもり状態にある者の犯罪が立て続けに起こっている。それに対して、「ひきこもりの犯罪は稀である」という啓蒙記事が新聞には掲載された。この種の報道は正しい。たとえば、東京新聞には下記のような記事が掲載されている。

関連事件の割合わずか
本紙と本紙が加盟する共同通信の記事データベースで、殺人、殺人未遂事件の容疑者で引きこもりだったと報じられたケースが何件あるかを調べた。その結果、1999年から2019年までの過去20年間で43件あった。事件発生後の捜査当局での証言、証拠などから明らかになったものですべてを網羅するデータとは言えないが、年平均で約2件だ。…(中略)…殺人の認知件数は1999年に1265件で、2003年頃に1400件を越えたが、それ以降は減少傾向。過去5年では900件前後だ。そうすると、「年2件」は全体の0.002%でしかない。(「東京新聞」2019年6月6日)

東京新聞によれば、ひきこもりと犯罪の関係が疑われたのは、2000年に起こった西鉄バスジャック事件だそうだ。

西鉄バスジャック事件とは、ひきこもり状態であった少年(17歳)が、西鉄バスに牛刀を持ち込み、女性1人を殺害した事件である。犯人の17歳の少年は、いじめをきっかけに不登校になり、ひきこもり状態が続き、家庭内暴力が日常化していたという。2000年には17歳の犯人による殺人が連続して起こったこともあり「17歳の犯罪」として、ワイドショーなどで盛んに報道がされた。

ひきこもりと犯罪の関係は、今よりも西鉄バスジャック事件が起こった2000年当時の方が強く疑われていたように記憶している。

東京新聞の43件のデータを使用し、もう少しわかりやすいように加工してみたのが以下の表である。
https://synodos.jp/wp/wp-content/uploads/2019/07/3f63148c338e3d5b92260e0f27f7cdf0.png

ざっくりとした計算だが、ひきこもり率が1.78%である一方で、ひきこもりが関わった殺人事件の率が0.18%である。つまり、ひきこもりは一般人口に比べて、非常に殺人事件を起こしていない。むしろ、ひきこもりに比べて一般人口は9.8倍も殺人事件を起こしており、圧倒的に殺人率は高いことがわかる(注)。
(リンク先に続きあり)

★1のたった時間
2019/07/22(月) 20:52:04.86

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