「草津宿本陣」に新選組の忘れ物

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20190725/2060003132.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

草津市の東海道の宿場町にあり、国の史跡の「草津宿本陣」で蔵にあったたんすの中から
当時の宿泊客の忘れ物が見つかり、このうち「キセル入れ」などが
幕末に名をはせた新選組のものだと分かりました。
専門家は江戸時代の旅の実態に迫る貴重なものだと評価しています。

見つかったのは、長さ17センチほどの木製のキセル入れや持ち運ぶ布の袋です。
草津市の調査チームが、去年6月から本陣に残された資料を調べていたところ、
ことし3月、蔵にあったたんすの引き出しの中から出てきたということです。

「キセル入れ」の袋には「新選組様 五月九日御泊 壱番間ニ 御失念物」
と書かれた紙が結びつけられていました。
宿泊客について記録する「大福帳」と照らし合わせたところ、1865年、慶応元年の5月9日に
「新選組 土方歳三様 斎藤一様 伊藤甲子太郎様 藤堂平助様」
幹部4人の名前が書かれていて、
隊士とあわせて32人が泊まっていたことが判明し、新選組の忘れ物だと分かりました。

調査チームによりますと、新選組は宿泊した前年の池田屋事件のあと、
知名度が上がり、勢力を広げようと江戸で隊士を募って京都に戻る途中で、
草津宿本陣に宿泊したということです。

調査チームの冨田由布子学芸員は
「見つけたときにはこれは一大事だと思いました。もし『壱番間』に幹部が泊まったとしたら、
土方歳三の忘れ物かもしれません」と話していました。

このほか、筆と墨つぼやお守りを入れる袋など、幕末の宿泊客の忘れ物、あわせて18点が見つかり、
調査チームの委員長を務める愛知大学の渡辺和敏名誉教授は
「江戸時代の忘れ物がこのような形で残されている例はほとんどないのではないか。
当時の旅人の実態に迫るもので非常に興味深い」と評価しています。

草津市は見つかった忘れ物を来月1日から18日まで草津宿街道交流館で展示することにしています。

【草津宿本陣とは】
「草津宿本陣」は、東海道と中山道が合流する交通の要衝に置かれた施設で、
江戸時代の初期から参勤交代の際に大名などが休憩や宿泊をするために使われてきました。
本陣には、宿泊客について1年ごとに記録した「大福帳」がおよそ180冊残されていて、
日本に西洋医学を伝えたドイツ人医師のシーボルトや、江戸幕府の最後の将軍、徳川慶喜のほか、
数多くの大名や公家が泊まったことがわかっています。

昭和24年に国の史跡に指定され、草津市によりますと、年間
1万8000人ほどの観光客が訪れているということです。

07/25 17:07