政府は、大胆な発想で挑戦的な研究を行う新設の「ムーンショット型研究開発制度」で、肉体と機械を融合させたサイボーグ技術の確立による運動能力の飛躍的向上や、温暖化などで失われた自然環境の復元など3分野計25のテーマを設定し、2035(令和17)年から60(同42)年までの達成を目指すことが30日、分かった。産学官の英知を結集し、既存の手法と異なる長期的な研究を政府が後押しすることで、国の産業競争力を高め、新たな社会システムの可能性を追求する狙いがある。

31日に内閣府で開かれる有識者会議で公表する。

 ムーンショット型とは、月面に宇宙飛行士を送った米国の「アポロ計画」になぞらえ、目標達成の難易度は高いが、実現できれば社会や産業に将来大きなインパクトをもたらすと期待される政策を指す。

 政府は今後、専門家のヒアリングなどで実現の可能性を検証した上でテーマをさらに絞り込み、年末の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)で最終決定する。選ばれた研究分野には今後5年で計約1千億円を投じる。

具体的には、日本が直面する少子高齢化を踏まえ、サイボーグ化技術を確立し、老化による視聴覚機能や運動能力の低下を食い止め、身体能力の向上を目指す。車いすや船舶などあらゆる移動手段の自動走行も提案する。

 環境面では、食料の生産から流通、消費までを人工知能(AI)で分析して余剰食品を激減させ、資源の有効活用につなげる。地上のあらゆるゴミの回収や、砂漠など過酷な環境で生育する植物の創出も盛り込んだ。先端技術では、全身神経回路と、その関連組織の完全デジタル化に挑戦し、認知症など疾患の発症メカニズムの解明に貢献する。
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