香港の「逃亡犯条例」改正案の撤回などを求めるデモに参加した若者らが3日、香港・九竜半島の繁華街にある牛丼チェーン「吉野家」の店舗に押しかけ、この店が臨時閉店に追い込まれる騒ぎがあった。

 発端は、7月にネット上で出回った情報。香港警察を侮辱する内容を、吉野家の従業員が公式フェイスブック上に投稿して、解雇されたというものだ。改正案をめぐって警察と対立する若者たちの怒りが、吉野家にも向かっていた。

 この日、九竜半島の繁華街、旺角を起点とするデモの参加者の一部は、近くにある吉野家の店の壁に同社を非難する文言などを記した大量の付箋(ふせん)を貼り、臨時閉店に追い込んだ。

 香港メディアによると、吉野家側は解雇については否定したという。香港の吉野家はフランチャイズ方式で運営されている。

 デモの参加者は、主催者発表で12万人。デモ隊の一部は、香港島に向かうトンネルのそばの幹線道路を占拠。車が一時通れない状態になっているほか、九竜半島の海沿いに掲げられていた中国旗が引き下ろされ、海に投げ捨てられた。(香港=益満雄一郎)
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