2019年8月10日 19時2分
読売新聞オンライン

 金属メーカーの「東邦亜鉛」(東京都)は10日までに、セメントや道路の基盤材に使われる非鉄スラグ製品の一部に、土壌環境基準を超える鉛やヒ素が含まれていたと発表した。

 群馬県内を中心に公園や住宅の庭などで使用された可能性があるが、今のところ健康被害は確認されていないという。製品は2016年4月から出荷を停止している。

 環境基準を超えていたのは同社安中製錬所(群馬県安中市)で製造した製品。非鉄スラグは亜鉛の製造過程で出る副産物だ。東邦亜鉛は、自社の製品は土壌とはみなされず出荷可能と認識していた。業界のガイドラインが見直されたことなどから出荷を停止した。

 東邦亜鉛は、使われた場所の特定のほか、回収や撤去などを進めており、「対象物は口に入れないようにし、触れた場合は手を洗うようにしてほしい」としている。すでに対策費用として約19億円を計上しており、今後追加で50億円規模の費用が発生する可能性があるとしている。
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