致死率97%の恐怖!「脳食いアメーバ」屋外プールで泳いだ59歳男性が死亡 米国
ハザードラボ  2019年08月11日 06時05分
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/0/30614.html

脳を食うアメーバ「ネグレリア・フォーレリー」(CDC)
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 米国東部ノースカロライナ州で先月22日、屋外の大型レジャープールで泳いだ59歳の男性が、脳を食うアメーバとして知られる「ネグレリア・フォーレリー」に感染して死亡した。

 ノースカロライナ州保健福祉局と、カンバーランド郡公衆衛生局によると、この男性は先月12日、カンバーランド郡ホープミルズで「ファンタジー・レイク・ウォーターパーク」と呼ばれる屋外に設置された大型プールで遊んだあと、激しい頭痛と高熱を発して病院に運ばれ、「アメーバ性髄膜脳炎(PAM)」に感染していることが判明。治療もむなしく脳死状態に陥って、先月22日に死亡した。

日本でも…

 米疾病予防管理センターで検査した結果、淡水に生息するアメーバが原因だと判明。口から飲んでも感染しないが、ダイビングや水上スキーなどで鼻から感染することが多いという。

 ネグレリア・フォーレリーは、一般に「脳食いアメーバ」と呼ばれ、湖や川、温泉などの温かな淡水に存在し、夏の暑い季節に水温が上昇し、水位が低下すると感染することが多い。鼻から嗅覚をつかさどる神経を伝わって脳内に侵入して、脳細胞を攻撃。発症すると1〜18日以内に死亡する。

 CDCによると、米国では1962年から2018年まで145人が感染。年間ベースに換算すれば2.6人と決して多くはないが、致死率が97%と高いため、非常に怖い病気だ。

 地元保健当局はウォーターパークの水質検査を実施し、現在は安全だとお墨付きを与えたが、淡水湖から完全に排除する手段はない。そこで、専門家は淡水湖や小川で潜る際には、ダイビングやアーティスティック(シンクロナイズド)スイミングの選手が使うような鼻クリップの着用を勧めている。

 国立感染症研究所によると、ネグレリア・フォーレリーは日本国内にも存在が確認されていて、報告されているだけでもこれまでに4人がアメーバ性髄膜脳炎で死亡している。いずれも患者の死後にアメーバが見つかったことで判明しており、実際にはもっと多い可能性がある。