イギリス領ジブラルタルの自治政府は、先月拿捕(だほ)したイランのタンカーについてアメリカから差し押さえへの協力を求められていましたが、これに応じないことを明らかにしました。今後、イランが拿捕したイギリス船籍のタンカーも解放されるという見方が出ていて、イランとイギリス両国の緊張緩和につながるのか注目されています。

イギリス領ジブラルタルの自治政府は、EU=ヨーロッパ連合の制裁に反するとして先月拿捕したイランのタンカーを15日に解放しました。

これに対し、アメリカ政府は、このタンカーはイランの革命防衛隊によるシリアへの違法な物資の輸送などに関わっていたとして差し押さえる手続きを進め、ジブラルタルに協力を求めていました。

これについて、ジブラルタルは18日に声明を発表し、アメリカが指摘する行為はEUの法には反しないとして、アメリカの要請に応じないことを明らかにしました。

イギリスに駐在するイラン大使は、日本時間の19日朝にもタンカーがジブラルタルから出航する見通しを示しています。

この拿捕をめぐってはその後、イランが逆にイギリス船籍のタンカーを拿捕したことで両国の対立が深まり、イギリスがアメリカと連携してイランへの圧力を強めることにもつながっていました。

今後、イランが拿捕したイギリス船籍のタンカーも解放されるという見方が出ていて、イランとイギリス両国の緊張緩和につながるのか注目されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190819/k10012040231000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002