https://mainichi.jp/articles/20190821/k00/00m/040/316000c

JR東「仙台駅の車内清掃で線路側ドアを手動に切り替えたままに」 東北新幹線ドア全開
毎日新聞 2019年8月21日 22時55分(最終更新 8月21日 22時59分)

 21日午前10時17分ごろ、東北新幹線の仙台発東京行き「はやぶさ46号」(10両編成、乗客約340人)が宮城県内の仙台―白石蔵王駅間を時速約280キロで走行中、9号車の右側ドアが全開状態になった。JR東日本によると、仙台駅では折り返し運転前の車内清掃の際、乗客の降車と入れ替わる形で複数の清掃作業員が二つの車両のドアから乗り込み、自動でドアが閉められる。作業が終わると、作業員は乗り込んだドアを、非常用としてドアごとに設置されている「ドアコック」で手動に切り替え、ドアを開けて降車。ドアを閉めた後、車内に残った責任者がコックを自動に戻し、先頭の乗員用ドアから降りる手順だ。

 ところが、今回の「はやぶさ46号」では、最後に残った責任者が、作業員が乗り降りした9号車のホーム側ドアだけでなく、線路側のドアを誤って手動に切り替えたまま、元に戻さずに降車してしまった。

 JR東日本の広報担当者は取材に「本来開閉する必要がない線路側のドアをなぜ手動にしたのか分からない」と語り、この責任者から事情を聴いている。

 JR東日本の最新型の車両では、コックのふたが開くと、運転席に通知されるシステムが備わっているが、旧型の同号にはなかった。このため、運転士も気づかすに発車し、走行中に開いてしまった。同社は、最新型であればトラブルを防げた可能性があるとして、今後旧型の改修を進めたいとしている。【杉本修作】

トラブルのあった東北新幹線「はやぶさ46号」と同じE5系のドアコック(中央のレバー)。通常はカバーが閉じられている=JR東日本提供
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